FEATURE~知故加新vol.6~ 食卓のバランス。

2018/10/10

料理で大切な事。

いい食材と上質な調味料、正しい食材の扱い方、正しい火入れ、それから
食卓のバランス。

私が料理をする上で一番に心を砕くのはこの食卓のバランスです。普段の食卓、お客様をお迎えする時、お料理教室など様々シーンにおいて、、

料理というのは様々な要素から成り立っています。

食材の食感(カリカリ、ふわふわなど)、調味料の味(甘い、酸っぱいなど)、温度(熱々、冷たいなど)、調理法(生で食べるか、煮るのかなど)、使う食材の組み合わせもそう、、これらが組み合わさってひとつの料理が完成します。

例え、ひとつの料理が最高の一皿であっても、合わせる料理とのバランスが悪ければその日の食事は美味しく感じられないかもしれません。同じ様な味付けの料理が並べば飽きてしまいますよね。

美味しいひと皿があり、ひと皿ひと皿の組み合わせがあり、それらがカチリとあった時に初めて素晴らしい食卓が完成します。

そう考えると献立を考えるのはまるでパズルの様。食材や調味料、調理の手順など要素を検証し、最高の組み合わせを考えるのですから。

料理を作る人はボケないと聞いた事がありますが、私はその理由は手先を使う事とこの脳トレが二大要素に違いないと密かに思っています。

家族からもうボケてるよーと突っ込み入れられそうですけれど。笑

それでは私の毎日の食卓をご案内します。

〜先日は一人暮らしの友人を招いてのランチを作りました。
看護師さんの彼女は毎日誰かの為に手を尽くす心優しき働き者。
ケラケラ笑う彼女といれば病気なんて吹き飛びそう。
その日の献立のテーマは「夏の野菜たっぷり和食」

・なすと大葉の浅漬け
・焼きなす、フルーツトマト、オクラの出汁ジュレ
・茹でとうもろこしと枝豆
・なすの煮物
・鮭と夏野菜の揚げ浸し
・黒豆ごはんと薬味たっぷりの冷たいすまし汁
・ プルーンのコンポート

この献立で特に注意したのは冷たいものと温かいもののバランスです。
暑いからといって冷たい食事にならないように煮物と揚げ浸しとごはんは出来立てを。
おしゃべりが楽しくてあっという間に冷めてしまったのだけれど。笑

〜先月のお料理教室のメニューです。
お子さんの夏休み前に大人な気分を味わいたくてテーマは「白ワインに合うおもてなしメニュー」。夏休みに入るとママは子供向けのメニューだらけになりますからね。

・ かつおのたたきと赤玉ねぎのソース
・ たこと黒オリーブのトマト煮
・ 自家製ハム
・ スッキーニのグリルとパルミジャーノ
・ いちじくのコンポート

この献立で特に注意したのはおもてなしメニューなので当日作るメニューと作り置き出来るメニューのバランスです。
おもてなしをする場合はホストがあまりにも席を外してしまうとお招きされる側は気を使ってしまいますから。
おしゃれで簡単そうに見えないメニューに生徒さんも大喜び、夏休み前の憩いのひと時を過ごしました。

〜ある日の塾弁当です。
中学3年生の次男はちょっぴり夏バテ気味です。
ビタミンB豊富な豚ヒレ肉に叩いた梅干しで味付け、傷みやすい夏場なので殺菌効果のある大葉や梅を沢山使用しました。

・ 豚ヒレ肉の梅煮
・ キャベツの浅漬け
・ オクラの白だし漬け
・ 茹でとうもろこしとミニトマト
・ 半熟卵の甘酢漬け
・ カリカリ梅ごはん

この献立で注意したのは味のバランスです。
食欲が落ちる夏、食べないと夏バテ直行便です。
ごはんがすすむ様に豚肉は濃い甘辛味に、キャベツの浅漬けやオクラの白だし漬けは塩分きつめです。それから半熟卵の甘酢漬けはお砂糖多めの甘酢に。
食が落ちていた彼も完食!

最後にもう一つ忘れてはならないバランス。
それは人。
誰に対して作るのか、そこに作り手の思いが加わります。
家族、家族の年齢や好み、お客様、年齢や職業などの背景、などなど
それらを想像すると自ずと献立が思い浮かんできます。そして思いを込めて料理を作ります。
最後に人が食卓に集って。食べて、しゃべって、笑って、全てのバランスがまとまります。

(高木あゆみ ライフスタイルクラブ お弁当デザイナー講座講師)

≪知故加新とは?≫
古きを知る事で発見がある。それを今の時代に合った形で取り入れてみる。そうすると毎日の生活がとても豊かになる。

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