FEATURE蕎麦打ち名人 永山寛康 ~蕎麦あれこれ~『バレンタイン』

2018/02/14

バレンタインにソバを贈る!?
チョコレートをバレンタインデイに贈る。その始まりには諸説ありますが、これはもはや、日本の冬の風物詩。チョコレート業界は、上手く流行りを作ったもので御座います。そこへ行きますと私のいる業界は、昔っからの「年越しそば」だけ。数年前から「年明けうどん」なるものを提唱して、流行らせようとしましたが、これはなかなか定着しないようです。

先日、アマチュアの「そば料理コンテスト」の審査委員長を拝命いたしまして、たくさんのそば料理を試食させて頂いて参りました。高校生から80歳を超える幅広い年齢層の方々が、そのコンテスト用に普段作っているそば料理にさらに磨きをかけての出品で、その充実した内容には言葉どうり舌を巻きました。このコンテストに出ている方々は、当然のようにそば打ちを趣味にしていられるわけです。そば打ちの一環として、そば料理に取り組んでいられるそうです。特に驚いたのは高校生たちのレベルの高さ。部活動の感覚でそば打ちに取り組んでいるので、その上達速度はとても大人では叶うものではありません。

また、このコンテストでお父さんと一緒に小学校一年生の子供さんが作っていた「クランキーそばの実チョコ」は、そばの実を煎ってチョコに混ぜたものでカリカリとした食感が、とても美味しかったです。バレンタインのチョコに使えそうな可愛いチョコでした。

熊「八つぁん、いそいそと今日は何をそんなに沢山かかえてるんでぇ」
八『あぁ熊公かい、こりゃね普段行きつけの方々の居酒屋のおねぇちゃん達から、なんか知らねぇが、『またちょくちょく寄ってくんなましな』って、もらった心の蔵型のボタ餅さ、こいつはどうも、なんか心持ちがいいね、うっひっひ』
熊「うっひっひじゃねぇよ、そいつぁ、バテレンかモロコシかなんかの義理ボタ ってやつじゃねぇのかい」
八『何だい、その義理ボタってのは』
熊「好きでもないヤカラに、お愛想だけでボタ餅くれて、お義理だけ済ますって寸法さ」
八『そういゃこの前の、瓦版に菓子屋の御手葉屋主人が『義理ボタやめろ』てな事を言ったと書いてあったな‥ところで熊、お前の持ってるその包みは何だい』
熊「これかい、こりゃあ横丁のいろはのお染ちゃんが、俺のために打ってくれた蕎麦だよ蕎麦、『熊さん‥本命とか何とか言いながら‥』うっひっひ」
八『うっひっひじゃねぇよ、それも義理だろ、えー義理です絶対』
熊「冗談じゃねぇ、これはぎりはぎりでも正真正銘『蕎麦切り』でぇ」

今年は、チョコでも来年からは「私、あなたのために蕎麦を打ってみたの、下手だけど心を込めて打ちました」なんていいなぁ!男心はトロけます。保証します。

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