COLUMN2.前日に作り置きした卵焼きやサンドイッチは大丈夫?管理方法や注意点を紹介

2018/11/19

毎日のお弁当作りを楽にする小ワザといえば、今話題の“作り置きおかず”を活用すること。
しかし食材やおかずによっては作り置きに向かないものがあることをご存じでしょうか?
なかでも卵焼きやサンドイッチは作り置きに向かないことで有名です。

楽だからといって何でも作り置きしてしまうと衛生面に問題が出てしまう場合もありますが、果たして作り置きできるものとできないものにはどのような違いがあるのでしょうか?

ここでは作り置きで注意するべきポイントを詳しく解説します。
気になる卵焼きやサンドイッチの作り置きについても見ていきましょう。

■作り置きする際に気を付けることは?
おかずなどを作り置きして菌が繁殖してしまう原因のひとつが、具材から出た水分です。
そのため作り置きをするならできるかぎり水分が出にくい以下のような食材を使用するよう工夫しましょう。

<水分が出にくい食材>
ゆで卵、ハム、スパム、スライスチーズ、油切りしたツナ、ブロッコリー、アスパラ、菜の花、豚肉、鶏肉、魚 など

また、菌を繁殖させないためには調理方法にも工夫が必要。
水分を残さないためには、

・焼く
・揚げる
・炒める
・炒り煮

このような方法で調理できるレシピを優先的に取り入れましょう。
ほかにも以下のような調理の工夫が欠かせません。

◇加熱
食中毒を起こす原因となる菌の多くは、75度以上の加熱を1分以上行うことで死滅します。
ノロウイルスなど熱に強い菌の場合は85~90度で1分半以上の加熱が必要な場合もあるので、肉類など火が通りにくいものほど十分に加熱するよう注意しましょう。

◇味付け
塩や砂糖を多めに加えると具材中の水分が減り、菌の繁殖を防ぎやすくなります。
常温保存のお弁当に詰めるおかずなどは、濃いめの味付けを意識しましょう。
酢など殺菌効果が高い調味料を使った味付けもおすすめです。

◇保存容器
十分に消毒した保存容器を使用するのが理想的です。
熱に耐性がある弁当箱なら、熱湯をかけまわして消毒したものを使用しましょう。

◇保存の仕方
調理したおかずを冷やして保存する場合は、調理後に粗熱を取ってから冷蔵庫へ入れましょう。
熱を持った料理をそのまま冷蔵庫へ入れると庫内温度が上がり、他の食材を傷めてしまう場合があります。

■卵焼きを作り置きする時の注意点
イメージ

卵は生の状態で多くの菌を持ちますが、加熱されるとさらに菌が増えやすい食材です。
卵焼きを前日の夜などに作り置きする場合は、菌の繁殖を抑えるために以下のポイントを考慮して調理しましょう。

・中心部までしっかり火を通す
・砂糖や塩を多めに入れて濃いめの味付けにする
・出汁まきのような水分が多く残る味付けは避ける
・片栗粉を入れて十分に焼き固める
・粗熱が取れたらすぐに冷蔵もしくは冷凍保存する
・弁当箱へ詰める際はレンジで再加熱する

半熟状態の卵焼きを作り置きして使用すると、翌日の昼頃には菌が増殖している可能性があり危険です。
弁当箱へ入れる際に再加熱するだけでも菌の繁殖を防ぎやすいので、水分が出やすい自然解凍ではなく加熱解凍して使用するよう注意しましょう。

■サンドイッチは作り置きしてもいいの?
サンドイッチは生野菜など水分が出やすい食材を使用すると、食べる頃には菌が繁殖してしまう可能性があります。
作り置きするとなれば菌の繁殖を防ぐ徹底した工夫が必要となるので、注意してください。
具体的には以下のポイントに注意することが大切です。

・手の洗浄、殺菌を念入りに行う
・事前に包丁、まな板、保存容器の消毒、殺菌をしておく
・味付けや具材を工夫する

サンドイッチを作り置きする場合は生のレタスやキャベツの使用は避け、加熱した水分が出にくい食材を使用しましょう。
例えばゆで卵やハムカツ、魚のフライなどが適しています。

また、味付けは酢による殺菌効果が見込めるマヨネーズがおすすめ。
バターやマーガリンよりも長時間菌の繁殖を防いでくれます。

甘いサンドイッチならジャムやマーマレードを多めに塗っておきましょう。

■作り置きにおすすめのおかずは?
作り置きにおすすめのおかずをご紹介します。

・梅を使ったマリネ
梅と酢の殺菌作用で食材が傷むのを防ぎます。

・わさび和え
わさびの殺菌作用で菌の繁殖を抑えます。

・からし和え
からしの殺菌作用で菌の繁殖を抑えます。

・醤油漬け
食材中の水分が抜けるため、きゅうりや大根など水分が多い食材も作り置きできます。

・きんぴら
調理過程で水分をしっかり飛ばすことで作り置きが可能です。

・照り焼きチキン
切ってから調理し、肉の中心部まで加熱することで作り置きが可能です。
照り焼きなら砂糖や塩を多めに入れられるため、菌が繁殖しにくくなります。

・肉団子の甘酢あん
肉だねにも酢を入れておくことで菌の繁殖を防ぎます。
甘酢あんは肉団子全体にしっかり絡めるのがポイントです。

■まとめ
最後に、作り置きの管理方法や注意点で大切なポイントをおさらいしましょう。

・作り置きでは、水分が出にくい食材や調理方法を選ぶことが大切
・卵焼きの作り置きは中心部まで完全に火を通すことが鉄則
・サンドイッチの作り置きは水分が出にくく加熱調理した具材を選ぶことが鉄則
・作り置きにおすすめのおかずは、水分が出にくく抗菌・殺菌効果のある梅や酢を使ったものがおすすめ

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