COLUMN4.お弁当の食中毒は細菌・ウイルスが原因だった!未然に防ぐための対策6選

2018/11/22

お弁当は調理や保存の仕方を間違えると食中毒の原因となってしまう可能性があります。
常温~高温保存になりやすい夏場のお弁当には注意を払う人も多いですが、実はお弁当の食中毒は冬場でも起こりやすいもの。
ここではお弁当から食中毒が起こってしまう原因や食中毒の対策方法について詳しく解説していきます。

■お弁当で食中毒を引き起こす根本的な原因
お弁当で食中毒が起こるのは、「弁当箱内で増殖した細菌」や「おかずに付着したウイルス」を体内に取り入れてしまうことが原因です。
食中毒を起こすと下痢、腹痛、発熱、吐き気などの症状が起こりますが、子供やお年寄り、体調が優れないときなどは命にかかわる危険もあるため決して軽視できません。

細菌による食中毒は細菌の繁殖スピードが速い6月~9月、高温多湿の時期に多くなる傾向があります。
水分を多く含む弁当を高温に放置すると、菌が速いスピードで増殖するため危険です。

また、ウイルスによる食中毒は調理の過程で食材に付着するケースが多くなっています。手洗いや調理器具の殺菌・消毒が不十分なことが原因となるため、ウイルスの活動が活発になる冬場はとくに注意が必要です。

■食中毒を引き起こす細菌・ウイルスの種類
食中毒の原因である細菌・ウイルスには以下のような種類があります。

◇サルモネラ菌
主に卵、肉、魚に見られる菌で、乾燥に強く熱に弱いのが特徴です。
加熱が不十分だと食材に残りやすく、症状が出るのは食後6時間~48時間が目安です。
(関連する食品)生卵、オムレツ、卵焼き、牛肉のたたき、レバ刺し など

◇黄色ブドウ菌
皮膚、鼻、口内にいる常在菌です。
傷やニキビなどを触ると知らないうちに手に付着するので注意しましょう。
加熱した食材を素手で触ることなどで食べ物に付着します。
体内に入ると食後30分~6時間で吐き気や腹痛などの症状が見られます。
(関連する食品)おにぎり、巻き寿司、サンドイッチ など

◇腸炎ビブリオ菌
生魚や貝などの魚介類に見られる菌で、真水や熱に弱いのが特徴です。
塩分があるところで増殖し、体内に入ると食後4時間~96時間で激しい下痢や腹痛などの症状が見られます。
(関連する食品)寿司、刺身

◇カンピロバクター
鶏肉、飲料水、生野菜など加熱されていない食材に見られ、乾燥と熱に弱いのが特徴です。
加熱調理することで死滅させられますが、体内に入ると食後2~7日で下痢、発熱、吐き気、腹痛、筋肉痛などの症状が出るため注意が必要です。
(関連する食品)焼き鳥、生野菜、井戸水、湧き水

◇腸管出血性大腸菌(O157、O111など)
火の通っていない肉や生野菜に見られ、加熱することで死滅します。
体内に入ると食後12~60時間で激しい腹痛や下痢、血便などがあり、重篤な症状に繋がる危険もあります。
(関連する食品)加熱が不十分な肉、生野菜、井戸水、湧き水

◇ノロウイルス
生の二枚貝やウイルスに汚染された水を口にすることで感染します。
85度の熱で1分以上加熱することで死滅しますが、感染すると食後1~2日で吐き気、下痢、腹痛などの症状が出ます。
(関連する食品)加熱が不十分なカキ、アサリ、シジミ

◇E型肺炎ウイルス
生焼けの豚肉や肉の内臓類から感染しやすく、感染から6週間ほどすると発熱や皮膚が黄色くなるなどの症状が出ます。
(関連する食品)加熱が不十分な豚肉、レバー

■お弁当で食中毒を未然に防ぐ対策6選

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多くの細菌・ウイルスが原因となる食中毒を未然に防ぐには、使う食品と衛生面それぞれで対策をしていくことが大切です。

◇食品に関する対策

・水分が出やすい食材を避ける
レタスはおかずの仕切りとして使いやすいですが、おかずに含まれる塩分から水分が引き出されやすいので注意が必要。菌が繁殖しやすい夏場はアルミホイルやバランで代用しましょう。

・抗菌・殺菌作用のある食材を活用する
塩分が多く殺菌作用を持つ食材を多く取り入れられると弁当箱内で菌が繁殖するのを防げます。
殺菌作用がある食材には梅、酢などのほか、わさび、からし、生姜、カレー粉、大葉などが挙げられます。

・保冷剤や冷凍食品を活用する
お弁当に入れて保存するときはできるだけ涼しく風通しの良い場所に置きましょう。
食べるまでに長く時間が空く場合は保冷剤を使用して温度を低く保ちます。
自然解凍可能な冷凍食品を使うと、夏場の温度対策になります。

◇衛生面に関する対策

・キッチン、調理器具、弁当箱の消毒をする
調理台、まな板、包丁、弁当箱などは使用前に消毒しておきます。
アルコールスプレーや熱湯による消毒方法が確実かつ安心でしょう。

・素手で食品を触らない
素手には目に見えない菌が多く付着している可能性があります。
調理した食材は素手で触らず、清潔な菜箸を使用しましょう。
おにぎりやサンドイッチなどを作る際はキッチン用の使い捨て手袋を使用するのがおすすめです。

・粗熱を取ってから弁当に入れる
熱々のできたておかずを弁当に詰めてしまうと野菜や加工食品を傷める原因になったり、湯気により水分を含ませてしまう場合があります。
おかずは必ず冷ましてから詰めるようにしましょう。

■夏のお弁当の安全を助けるアイテム
菌の繁殖を抑えたい夏のお弁当には、以下のようなアイテムを使うのがおすすめです。

・保冷剤
冷凍庫で凍らせたものは2時間ほど冷却効果を発揮します。
保冷バッグに入れて使えば倍の4時間ほど冷たさをキープできます。

・保冷バッグ
弁当箱に合ったサイズでバッグ内の冷気が逃げにくい作りのものがおすすめです。
保冷剤専用のポケットやホルダーが付いていると、保冷剤の水滴が垂れてしまうこともなく安心です。

・抗菌シート
おかずの上に載せておくだけで抗菌効果を発揮するシートです。
市販されているので手に入りやすく、とくに夏場のお弁当におすすめ。
ただし100%抗菌できるものではないので最低限の抗菌対策は欠かせません。

■まとめ
最後にお弁当の食中毒を防ぐために大切なポイントをおさらいしましょう。

・お弁当の食中毒は細菌・ウイルスなどの病原菌の繁殖・付着が原因
・食中毒になった場合、症状が出るまでの時間は細菌・ウイルスによって異なる
・食中毒予防には、おかずに使う食品やレシピ選びを工夫して、衛生面に気を付ける
・夏のお弁当には冷やせるグッズと抗菌グッズがおすすめ

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