COLUMNそばとうどん、血圧を下げる効果があるのはどっち?
そばもうどんも、両方とも非常に人気にある食事です。しかしここで気になるのが、この2つの成分量です。
特に、「塩分」は気になるところ。
ここではこの2つを見比べて、どちらが高血圧症、あるいは高血圧気味の人にいいのかを考えていきます。

■塩分量について
諸説はあるものの、「高血圧には塩分量が関係している」と見るのが現在の流れの中心です。高血圧症の人は増加していっていることもあり、このような健康への取り組みが特に注目されています。
日本人が1日に取っている塩分量は、男性の場合は11.1グラム、女性の場合は9,4グラムです。それに対して、1日の摂取量の目安は、男性が8グラム、女性の場合は7グラムとされています。つまり、日本人はあきらかにとりすぎなのです。
また、高血圧に悩まされている人は1日に6グラムまでに留めるべしとされています。もっとも、高血圧の人が増えたことを、「食の欧米化」に求めることはあまり的確ではありません。
「昔よりも高血圧症の人が増えた」としましたが、それは多くの人が健康に気を付けるようになって病院に受診するようになったからだ、と考えられています。多くの人が健康に気を付けるこの時代だからこそ、「どのような食べ物が、どれくらい血圧に関係があるのか」ということを考えていくようにしましょう。
■え?蕎麦の塩分って?
うどんはしばしば塩分が高いものだと取り上げられてしまいがちですが、実はうどんの塩分含有量は決して多くはありません。茹でた後のうどんに残っている塩分量は、わずか0.3グラムにすぎません。茹でる前は2.5グラムも含まれていますが、茹でる過程において塩分がどんどん水に吸収されていきます。そのため、単純に「うどんだけ」というかたちで食べるのであれば、うどんは過剰におびえるべきものではないとわかるでしょう。
では、そばの場合はどうなのでしょうか。
そばの場合はうどんよりもさらに高血圧症に強い食材として有名です。なんと、この「そば」には、まったく塩分が含まれていないのです。0グラムなので、高血圧の人でも気軽に食べることができます。
■ルチンという成分
さらに、そばには「ルチン」という成分も入っています。これは非常に重要な成分です。
赤ワインやチョコレートに含まれている「ポリフェノール」は多くの人が知っているのではないでしょうか。ルチンはこのポリフェノールの1種類に分類されているものであり、人間にとって厄介な症状を食い止めてくれるものでもあります。たとえば、がんが起きるリスクを少なくしたり、老化が進むリスクを抑えたりします。
また、免疫機能の衰えを防ぐ効果があります。
これらはすべてルチンの持つ抗酸化作用によるものです。
ルチンの効果として期待できるこの「抗酸化作用」は、人間の体を害する「活性酸素」に対抗する力をもっています。また、ここからが本題なのですが、ルチンにはさらに、「高血圧症がもたらす動脈硬化」のリスクを下げるという効果があります。動脈硬化は非常に恐ろしいものであり、突然死を招いたり、助かっても重篤な後遺症をもたらしたりする可能性のあるものでもあります。起こる前に頭痛などを感じる人もいるのですが、多くの人は突然これに襲われるため、救急車などを呼んでいるひまがないこともあります。
このように恐ろしい動脈硬化もまた、ルチンは予防してくれます。
このため、専門医からも、「高血圧症の人は、うどんよりもそばを食べるべきだ」という見解が出されています。
■気を付けたいそばつゆやトッピングのこと
このように、うどんもそばも、「それそのものの塩分量」という観点から考えれば、(うどんの方が多少多いとはいえ)それほど神経質にならなくてもよい食材だと言えます。
特にそばの場合は、ルチンの効果によって動脈硬化に対抗していくことができると解釈できます。
ただ、実際には1食でとるときの塩分量はもっと増えてしまいます。この2つにはそれぞれ5グラム前後の塩分が含まれるという見解もあります。
私たちは、うどんやそばを食べるとき、それ単体で食べることはほとんどありません。ほとんどのケースでは、しょうゆやそばのつゆ、うどんのお出汁と一緒に味わうことになります。またここにさらに、トッピングを乗せることもあるでしょう。
この「そばつゆ」がかなり曲者です。これを全部飲むとなると、摂取塩分量は大きく増えます。また、トッピングの種類によっても塩分量は大きく変わります。
この結果として、本来は「塩分量が少ないはずであった2つの麺類」は、高血圧のリスクになってしまう食事に早変わりしてしまうのです。
■まとめ
そばとうどんでは、そばの方が塩分の観点から見ると血圧に良いことが分かりました。
ただし、そばつゆ自体の塩分は高めなので、そばつゆなどは飲み干さないようにしましょう
また、蕎麦湯に関しても蕎麦湯単体で飲むことは問題ありませんが、蕎麦湯をそばつゆなどで割って飲む場合も飲みやすいからといって飲み干さないように注意しましょう。
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