COLUMNそばの茹で汁(そば湯)を飲むとこんなにも栄養に良い! 茹で汁の保存方法とは

2018/03/06

「そば湯」を初めて見たときにびっくりした、という人も多いのではないでしょうか。また、現在もそれほど得意ではないという人や、どのように処理していいかわからない、という人もいるかもしれません。

しかしこのそば湯、非常に栄養によいものなのです。

■そもそもこれはどんなもの?
「そば湯」という単語は比較的よく耳にするものですが、これはいったい何なのでしょうか。これの正体は、実は、「そばを茹でたときに出る茹で汁」なのです。

そばの茹で汁(そば湯)は、独特の粘性と白さを持ちます。これは傍から出た成分によるものです。そばは非常に栄養価の高いものです。特に、そばが持つ植物性たんぱく質は極めて良質であり、昔から私たちの舌と健康を支えてきました。

さて、このそばですが、これを茹でるときに、どうしても栄養分がお湯のなかに出て行ってしまいます。特にそば屋さんの場合は、何度も、何杯も、そばを茹でるため、その量はかなりのものです。「茹で汁といえば捨てるもの」という印象を持つ人も多いかもしれませんが、そばの栄養価がにじみ出ているこれを捨てるのはもったいない、ということで、「そばの茹で汁(そば湯)を飲む」という文化が広まっていったのです。

ちなみに、このそばの茹で汁(そば湯)の文化が広まり始めたのは、遥か以前、江戸時代の話だとか。現在でもそば処として有名な信州がその起源だとも言われています。

■どんな栄養価がある?
そばの茹で汁(そば湯)にはさまざまな栄養価が含まれています。たとえば、たんぱく質。上でも述べたように、そばはたんぱく質の宝庫です。これは、そばを茹でた後の茹で汁にも残っています。

たんぱく質は筋肉をつけるための土台となり、また肌の成分ともなります。たんぱく質が足りない肌は状態が良くなくなり、さまざまな肌トラブルを引き起こしてしまいます。男性にとっても女性にとっても、非常に大切なものなのです。

さらに、そばの茹で汁(そば湯)にはポリフェノール(ルチン)もたくさん含まれています。ポリフェノールはチョコレートや赤ワインなどによく含まれている成分として有名ですが、そばの茹で汁(そば湯)にもよく溶けています。

これは精神状態を安定させる効果があるとも言われている成分です。加えて、高い抗酸化作用を誇り、ニキビなどの肌トラブルを予防することにも寄与しています。さらに、アンチエイジング効果もあり、「老けにくい肌」「若々しい肌」を作り上げることにも役立ちます。

また、「薬」ほど強力ではないものの、血圧を下げる効果があるとも言われています。これは、ポリフェノールを含むチョコレ-トを使った実験で実証されています。また、女性は特に気になる「体脂肪」の対策としても有用です。もちろん、「ポリフェノールをとっているから、血圧の薬を飲まなくてもよい」「これをとっていればまったく太らない」ということは決して言えませんが、健康面でも美容面でも、私たちの役に立ってくれることは確かです。

ちなみに、この意見に関しては「そばの茹で汁(そば湯)に関するポリフェノール量についてはあまり期待ができないのではないか」とする意見もあります。ただ、上で挙げたように、それに対抗する意見も出されています。どちらも相応の信頼のおける団体の言葉であるため、その是非を述べるのは難しいでしょう。ただ、「飲んでも体に害のあるものではない」ということはわかっていますから、やはり飲むのが良いでしょう。

加えて、そばの茹で汁(そば湯)にはビタミンが含まれていると言われています。特によく取り上げられるのはビタミンB1です。疲労回復に役立つビタミンとして広く知られており、神経系や筋肉の健康を保つためにも役立ちます。「集中力の上昇」「イライラを抑える効果」も見込める栄養素であり、とても重要なものでもあります。

■茹で汁の保管と味わい方
このそばの茹で汁(そば湯)ですが、そのまま飲むのもいいものです。お茶のようにして飲む人も多くみられます。

ただ、それほど味の強いものではないので、すべてのそばの茹で汁(そば湯)を味付けなしで飲むのはつらいもの。その場合は、そばの茹で汁(そば湯)を飲むときは、そばつゆなどで割って楽しむとよいでしょう。

わさびやノリを少し入れて飲むのもおいしいものです。ただし、高い粘性を誇るため、火傷にはご注意ください。また、そばの茹で汁(そば湯)のあまりは基本的には冷蔵庫で保管することになります。しかし、数日も経たずに劣化してしまいます。そのため、そばの茹で汁(そば湯)の保存方法としては、蕎麦豆腐と呼ばれるものにするのがおすすめです。蕎麦豆腐とは、そばの茹で汁(そば湯)を1/3までに煮詰めることが作ることが出来ます。
例:100cc余ったら30cc程度になるまで煮詰める。

■まとめ
この手法をとると、ポリフェノール(ルチン)がしっかり残ったままの「そばの茹で汁(そば湯)の豆腐」を作り上げることができるのです。また、意外に思われるかもしれませんが、この方法は、ゼラチンなどの「固めるためのもの」はまったく必要ありません。そばのでんぷんで自然に固まるからです。

文字通り、豆腐と同じような形になるため、しょうゆなどで味付けをして冷ややっこみたいに食べてもいいですし、温かいそばの薬味として使うこともできます。また、蕎麦豆腐になったからといってそば本来の栄養素は損なわれないので、安心して食べることができます。

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